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2023年4月13日

働き方改革の推進や、コロナ禍によってワークスタイルが変化している中で、
オフィスを構えないノマドワークが主流のように思われていたスタートアップ企業が
シェアオフィス等のセットアップオフィスに注目する理由とは?

スタートアップ企業が必要とする拠点

スタートアップ企業とは、主にDX領域で革新的なビジネスモデルを創出し短期急成長を目指す企業のことで、現在国の内外を問わず大きな注目を集めています。スタートアップ企業を対象とした国内での投資額は2013年以降の8年間で約9倍に増加しており、日本政府も2022年をスタートアップ創出元年として定め、育成5カ年計画を発表しています。

この計画によれば、2027年までにその投資額は10兆円規模にまで拡大し、スタートアップ企業は10万社を、 評価額で10億ドル以上にも達するユニコーン企業は100社を創出するという目標が立てられています。

働き方改革の推進や、コロナ禍による在宅勤務等の定着もあり、オフィスに出勤しないワークスタイルが広がったことは、身軽でスピーディーさを身上とするスタートアップ企業が活躍する背景とはなりましたが、最近ではこうしたスタートアップ企業が、シェアオフィスに入居するケースが増えつつあります。スタートアップ=SOHO・コワーキングスペースなどでのノマドワークを採択、といったようなイメージが持たれていた時代もありましたが、最近ではシェアオフィスも増えたことで選択肢が広がっています。

多数の社員を擁した企業とは違い、少人数のスタートアップ企業が入居を検討するオフィスとは、シェアオフィスを主流としたデスク、チェア、IT環境等が整備されたセットアップ型のオフィスが選ばれる傾向があります。まずは、初期投資面、入居審査面で利点があるセットアップされたシェアオフィスに入居し、後に業績が急拡大し人員的にも手狭になったら、通常のオフィスビルに移転するケースが増えています。

ノマドワークであれば、オフィスを構えないというスタートアップ企業ならではのスタイルがある程度通用するにもかかわらず、なぜあえてスタートアップ企業がオフィスを構えるかということについては、いくつかの理由があげられます。

まず、スタートアップ企業にとって、オフィスという拠点があるということは、対外的に個人企業ではなく会社組織として認知される重要な要素になると考えられます。

また、ペーパレスの時代とはいえ必要最低限の書類は必要であり、情報管理・セキュリティ環境面においても自宅ではなくオフィスでの書類保管は必須と考えられます。

さらに、日常的な企業活動の面においても、コロナ禍でWEB会議が増えたとはいえ、フェイストウフェイスでの会議や顧客打ち合わせ、社内メンバーとの会議等、人が集まる場所は必要となります。最近は、一般企業において再度オフィス面積を増床する傾向もみられ人が集まるスペースの重要性が見直されてきています。

スタートアップ企業の具体的ニーズとは?

では、こうしたスタートアップ企業がオフィスを構える際の、一般企業との差異点とはどんなことでしょうか。

スタートアップ企業の当初人員は2人〜数人規模ということも多々あり、狭小であっても発足間もない時点では、当然ながらそのオフィスコストは決して軽微とはいえません。そして短期間で業績が急上昇し、人材を急遽確保する必要が発生すると、たちまちオフィスが手狭になるというケースは頻繁に見られます。かといって人員増を見越して広いオフィスを初めから確保するのも、業容拡大の将来的保証があるわけでもないのでリスクになります。

そうなると取るべき選択肢は、まずは適切な狭少スペースを借り、人員を増やすべきタイミングで迅速に新たな広めのオフィスに移転するということになります。ここで回避したい事項は、入居時の過大な初期投資費用(内装設備工事等)や退去時の6ケ月前解約予告による退去時間ロス、過大な原状回復費用ということでしょう。

こうしたニーズに対応したシェアオフィスが増えたことで、スタートアップ企業がオフィスを構えることの後押しとなっています。スタートアップ企業は、予め内装やIT通信環境等の備わったシェアオフィスに身一つで入居し、即日にでも仕事を開始でき、また移転に際しても過大な負担なく退去することが可能です。

シェアオフィスが増えた背景には、各ビルデベロッパーが自社ブランドでのシェアオフィスを推進したことが一因として考えられます。

2021年6月以来、都心5区の平均空室率が6%台での推移を続ける中で、渋谷区については2023年2月が3.42%と、一段低い数値を示しています(三鬼商事調べ)。かねてより、渋谷駅周辺が「日本のシリコンバレー」とも称されているように、IT系のスタートアップ企業は拠点を渋谷区に志向する傾向が強く、コロナ禍前に空室がなく、やむなく新宿や五反田に拠点を構えたIT企業がコロナ禍以降渋谷エリアに移転してきています。コロナ禍の影響下でも渋谷エリアのオフィス需要が好調であるのは、こうした事情も寄与しているものと思われます。

現場から一言 三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部 リーシング営業部 営業グループ グループ長 田所 清

田所清

私どもは都心エリアを中心にオフィス・店舗等の事業用賃貸不動産のリーシング仲介業務をおこなっております。

単なる賃貸物件のご紹介のみならず、オフィスレイアウトプランや働き方改革を意識したオフィス移転コーディネイトについて、グループ会社である三井デザインテック㈱等のオフィスデザイン会社と連携し、最適なプランニングをご提案させていただきます。

また、店舗案件におきましても都心商業エリアの路面店舗を中心に商業施設、ロードサイド等 幅広くお取り扱いをさせていただいております。

是非ともお気軽にご相談ください。

三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部リーシング営業部
TEL : 0120-983-031
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