エリア特集
大阪特集
2020年6月15日
ソウル、台北、香港、上海など東アジアの主要都市から日帰り圏内。
アジアの玄関口として、東京を介さずに世界と直接つながって成長してきた福岡市。
「福岡市グローバル創業・雇用創出特区」として天神や博多の開発が急進展し、
震災からの復興と再開発の融合が目覚ましい熊本市ともども、熱い注目を集めています。
福岡空港はソウルから約1時間20分、上海から約1時間40分と、近隣の東アジア諸都市とは日帰り圏内にあります。国際的なハブ空港とも多くの直行便で結ばれ、ビジネスや国際会議に最適な立地。近年のインバウンド景気で海路も活況を呈し、アジアからの大型クルーズ船を多数受け入れてきました。観光庁によると2018年の寄港回数で博多港は4年連続で首位となっています。
産業面では、小売、通信、サービス業などの第三次産業が強い土地柄。近年、福岡市は「知識創造型産業」の振興を成長戦略にかかげて、ITやクリエイティブ系企業の誘致や起業支援に傾注してきました。また、日本での起業を目指す外国人のビザ取得要件を緩和する、スタートアップビザなどの支援策もいち早く導入。県外からのUターンや移住の促進政策にも力を入れています。
こうした背景から、福岡市の人口増加数は全国トップ(2019年1月1日時点)。生産年齢人口も増加傾向にあり、人口減がとまらない地方都市の中で際立つ勢いを持っています。
ところが、このような著しい成長に際し、福岡市の都市機能が十分に対処しきれないという課題がクローズアップされてきました。これには福岡市ならではの背景があります。福岡空港は博多や天神まで地下鉄で5〜10分と、日本一交通至便とも言える空港。反面、あまりに近接しているために都心部は航空法の高さ制限によって高層化が抑制され、ビルの建て替えが進まない状況が続いてきました。
その状況が大きく動きだしたのは2014年、福岡市が国家戦略特区「福岡市グローバル創業・雇用創出特区」に指定されてからで、一定の条件つきで高さ制限や容積率を大幅緩和する優遇制度を打ち出しました。
皮切りとなったのは2015年から始まった再開発促進プロジェクト「天神ビッグバン」。天神エリアの中心から半径500m以内が対象で、複数の大型再開発が進行中です。最大容積率1400%の天神1丁目南ブロックは天神ビジネスセンター(福岡地所)が2019年1月から着工中。旧大名小学校跡地は従来の76mから最大115mまで高さが緩和され、積水ハウスや西日本鉄道など5社が共同事業者となる高層複合ビルが2022年末の開業をめざしています。
博多駅エリアでも2019年から2028年までに竣工するビルを対象に規制緩和する「博多コネクティッド」を開始。世界的建築家の磯崎新氏による設計で知られ、駅前のランドマーク的存在だった西日本シティ銀行本店ビルの建て替えが発表されています。
空港周辺の開発も進んでおり、青果市場跡地は空港や博多から2〜3kmの有望な商圏として注目されていますが、三井不動産を中心とした企業グループが事業者に選ばれ、2022年春開業に向けて福岡市と協議を進めています。
大規模開発による移転で代替オフィスの需要も高まっており、福岡市のオフィス事情は依然として逼迫しています。2020年4月時点、福岡市都心部の空室率は2.26%と、新型コロナウイルスの影響下でも低水準。平均坪賃料も10,843円と34カ月連続で上昇しています。「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」の計画完了時には、オフィス等の貸床の延床面積が天神エリアで約1.7倍、博多エリアで約1.5倍という試算が出ていますが、しばらくはストック不足が続きそうです。
土地の公示地価も8年連続で上昇しており、住宅地が6.8%増、商業地が16.5%増。九州各地からの人口流入で新築マンションの供給戸数も増加しています。坪単価も、2019年には179.5万円と2010年(132.3万円)と比べて10年間で大きく上昇しています。
また福岡市がグローバルに注目される計画も進行中。旧大名小学校跡地の複合施設には「ザ・リッツ・カールトン福岡」が入る予定です(2023年春開業予定)。世界のVIPを受け入れるにふさわしいグレードのホテルを備えた国際拠点都市へと成長中です。
2020年6月、三井不動産リアルティ九州が新たに拠点を構えるのは、2016年の熊本地震の復興が進み注目されている熊本市です。
熊本市最大の繁華街である下通アーケード街は、地震後は多くの店が休業し一時は人出も減りましたが、2017年に複合商業施設「COCOSA」が開業してにぎわいが戻りました。2019年には桜町地区に大型複合施設「サクラマチ クマモト」が開業。施設内には、MICEや文化の発信地として機能する熊本城ホールもあり、復興熊本のシンボルに位置付けられています。
新しい複合施設の開業が相次ぐなか、30年以上親しまれてきたファッションビル「熊本パルコ」が2020年2月閉店。入居していたビルは老朽化のため建て替えられ、跡地にはパルコ運営の新商業施設とホテルが入居する複合ビルが計画中です。JR熊本駅には、JR九州がホテルや商業施設の入る熊本駅ビルとオフィス中心の熊本駅北ビルを開発中。こうした一連の開発状況から、地価の上昇傾向は継続するとみられています。
先日、福岡市の推定人口が160万人(2020年5月1日現在)を超えたとの発表がなされました。政令指定都市で人口160万人超は横浜、大阪、名古屋、札幌に続いて5都市目となり、市予想の8年前倒しの達成とのこと。福岡市によると主な要因は転入が転出を上回る「社会増」。首都圏等に一部流出があるものの、九州・沖縄からの流入が多く、特に若年層の流入が目立つとのことです。元来、福岡市は、アクセスが良く、都心からの移動や通勤・通学時間が短い、賃料が安い,食文化が充実しているといった背景があり、国内有数の住みやすい街として評価されています。
また、グローバル化の進展に伴う、アジア諸国からの外国人の受入も活発で、外国人からも、安全・安心で生活の余裕度が高いと評価されています。今後も、アジアと九州全域からヒト、モノ、カネ、そしてカルチャーがさらに集まり、新たな価値を創出する街を目指し成長をつづける都市の将来像に期待が寄せられています。
九州・沖縄においての不動産マーケットデータからも投資意欲の高さが窺えます。Jリート不動産取得総額、約22兆4,800億円(J REIT DB参照)のうち、九州・沖縄における取得額は約9,830億円(全国に占める割合約4.4%)。その中で、福岡県は約6,442億円(同 約2.9%)と地方における取得額としては高い投資水準に達しています。
昨年、米国大手証券会社グループによる博多駅前ホテル取得のニュースがリリースされるなど、年々アジアを中心とした海外からの投資も目立ってきています。
上述にある通り、天神ビッグバン・博多コネクティッドをはじめとする大型再開発が完了すれば、企業誘致がより一層進み、雇用機会増加の期待の高さから、オフィスビルや住居など様々なアセット需要につながると判断しております。
南九州オフィス
福岡市都市圏は、国内外投資家からの投資用不動産への需要が高まり(過熱し)、優良物件の枯渇に伴って取引利回りも低下傾向となり、他県展開の需要が高まりを見せてきました。特に熊本・鹿児島においては九州新幹線を軸に利便性が高く、駅前再開発も進行しており、三井不動産リアルティ九州はその熊本市に新たに拠点を開設いたしました。現在は、コロナ禍により観光客も減少していますがインバウンド需要も十分見込まれています。
また、当社リパーク営業部(時間貸駐車場による土地活用)の実績が伸びていることも新規オフィスを熊本に開設した大きな要因となっています。
このように当社は、福岡をはじめ九州における事業用・投資用不動産など多様化する不動産ニーズにワンストップでお応えして参ります。
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