エリア特集

REALTY PRESS
大阪

2024年2月15日

万博や市内各エリアの大規模再開発により市場ポテンシャルが上昇

うめきた開発

西日本最大の都市である大阪市。かつては東の東京都と双璧をなす西のビジネスの中心都市として君臨していました。しかし、90年代半ばから、大企業などが本社を東京へ移すなどしたことで、商都としての地位はやや低下傾向にあり、同時に不動産開発状況においても差が生じていきました。

しかし近年、市の中心部等で多くの再開発事業が実施され、大阪の街は大きく生まれ変わりました。その代表格は、JR貨物が保有していたJR大阪駅北側にある広大な大阪北ヤード(梅田貨物駅)の開発です。

第1期は阪急梅田駅側の約7haで、ここはグランフロント大阪として2013年にオープンし、大阪市中心部の新たな顔として賑わいをみせています。残りの約24haのエリアは、現在第2期として開発が進められており、グラングリーン大阪として2024年9月にオープン(一部先行)します。

ここには、主要ターミナル駅直結の防災施設でもある大規模公園を中心に緑地※1の景観が整備され、オフィスビル、商業施設も進出し、世界をリードするイノベーションの拠点となるだけでなく、西日本で最高価格となる46階建てのマンション建設※2が進められています。

関西圏の地価動向とマンション市況

不動産市況のベースとなる地価の動向としては、大阪府・京都府・兵庫県の関西主要府県の地価動向(基準地価)を示した下グラフの推移の通り、関西は住宅地・商業地ともコロナ禍の状況下では、やや低下しましたが、現在は回復基調にあります。

関西2府1県の基準地価変動率

マンション価格も首都圏同様に2013年頃から価格上昇が顕著となってきました。下グラフの、マンション市況を把握しやすい中古マンションの平方メートル単価の推移では、関西圏全体にエリアを広く採っても上昇が顕著となっています。

近畿圏中古マンション成約状況

このように、地価・マンション価格の動向からは関西の主要都市においては不動産市況が好調な様相ですが、この傾向はまだこれからも継続すると予想されます。その背景として、市内中心部の淀屋橋でのツインタワーを中軸とする計画や、堂島でのマンションとホテルの複合棟など2棟の高層マンション計画、また難波駅隣接で、2つのホテルやオフィス棟などで構成される「なんばパークスサウス」が2023年7月に開業するなど、市内全域で再開発計画が活発に進行していることが挙げられます。

大阪・関西万博開催

また、市況好調の大きな要因の1つは万博の開催です。

大阪・関西万博は、2025年4月13日~10月13日の予定で、大阪北港の埋め立て地である夢洲で開催されます。この万博の正式名称は「日本国際博覧会」で、国が主導して行います。過去に日本で開催された国際博覧会は5回、大阪での開催は今回が3回目となります。過去2回は下記の通りです。

  1. 日本万国博覧会 (1970年) 会場:千里丘陵 (来場者数:約6,422万人)
    跡地:万博記念公園、国立民族学博物館、ららぽーとEXPOCITYなど
    高度成長期のシンボル、大阪万博です。初めての日本開催の万博であり、過去5回の万博では最大の来場者数となりました。
  2. 国際花と緑の博覧会 (1990年) 会場:大阪鶴見緑地(来場者数:約2,312万人)
    跡地:花博記念公園鶴見緑地など
    バブル期に企画された万博で、2番目に多い来場者数となりました。

そして6回目(大阪で3回目)となる大阪・関西万博は、2025年に開催されます。想定されている来場者は2,820万人、うち海外からは350万人の来場が見込まれています。これを機に、高級ホテルが少ないと長年いわれてきた大阪市内にもホテル開業ラッシュが始まり、経済効果と不動産市況にも大いにプラスに働くことが予想されます。

IR施設のオープン

夢洲で開催される万博の2025年10月の終了に伴い、その跡地にはIR(統合型リゾート)施設が、2029年秋~2030年1月ごろに開業の予定となっています。

IR施設の中には、カジノだけでなく、コンベンションセンター(MICE)、高級ホテル、劇場、商業施設などが併設され、年間2,000万人の来場者を見込んでいます。

期間限定の万博と異なり、IR施設は常設となるので、そこで働く膨大な人員が、近隣地域に住み、通うことになります。

すでに各鉄道の新設や延伸が決まっており、計画エリアでは利便性が向上し、不動産価格が上昇する可能性が考えられます。また、働く人の住宅需要、賃貸住宅需要を見込んで、住宅関連の投資も活発化するでしょう。

こうした、国を挙げての大型プロジェクトが、大阪市だけでなく、関西の各主要エリアを巻き込んで不動産市場に好況をもたらすことが期待されています。

※1 都市公園4.5ha、周辺敷地と併せて約8haの緑地創出
※2 2024年2月現在、「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」最上階販売価 格25億円 日刊工業新聞2023年10月13日

吉崎 誠二
不動産エコノミスト・不動産企業コンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

現場から一言

森武

私は2023年4月に東京から転勤で参りましたが、大阪は地下街、飲食店街が充実し、活気があり大変生活がしやすいところです。

新型コロナウイルス感染症が5類に移行後、京都・大阪エリアにも多くの外国人観光客が戻ってきました。京都はもとより、大阪では特に心斎橋から道頓堀、なんばエリアが賑わっています。日本人だけでなく、観光等でエリアに馴染みのある海外投資家が、競争の激しい東京エリアを回避し、大阪市内で一棟収益マンションやビル、ホテルを売買する動きが顕在化してきました。弊社で外国人対応を行うグローバルサービス部の協力も得ながら、海外投資家から不動産売買のご相談を受ける機会が増えております。

新築高額タワーマンション分譲やうめきた2期(グラングリーン大阪)を始めとする再開発、2025大阪・関西万博、その後のIR誘致と、大阪エリアは今後も益々発展していく可能性を秘めております。

個人のお客様は共有解消、建物老朽化、相続事前・事後対策、有効活用、資産組換えのご相談、法人のお客様は拠点移転・拡張や縮小、遊休資産の利活用、CRE戦略立案、事業承継のご相談など、きっかけは様々ですが、国内外問わず、多くの売買・賃貸・開発・有効活用ニーズを頂戴しております。

2023年10月、関西支店ソリューション営業部は、梅田(グランフロント大阪)と本町に分散していた拠点を御堂筋三井ビルディング(関西支店内)に移し、メンバーが集結いたしました(京都オフィスは烏丸の京都三井ビルティング内にございます)。

「キタ」にも「ミナミ」にも行きやすい立地を活かし、皆様のニーズにお応えすべく尽力いたします。関西エリアの不動産に関するお悩みがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

三井不動産リアルティ株式会社 関西支店
ソリューション営業部
https://sol-biz.mf-realty.jp/advantages/consul_kansai/

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