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東京駅_八重洲口
 

2021年6月10日

多様なニーズの同時実現に向けて相次ぐ巨大再開発計画

高層建築物の竣工が相次ぎ、街の様相が変わった感のある八重洲・日本橋エリア。
東京タワーを上回る超高層オフィスビルや、ミッドタウンの登場などを中核とした
今後の再開発ラッシュによってさらに大きな世界の注目を集めます。

国内最高の超高層オフィスビル「Torch Tower」

昨今、様々な高層建築物を主体とする再開発が続き、八重洲・日本橋エリアはその街の景観を大きく変えつつありますが、今後も東京駅の東側の永代通りに並行する東西のゾーンで5ヶ所、それに直交している外堀通りに並行する南北のゾーンで4ヶ所、大規模な計画が予定されています。

その背景には、このエリアが挙国体制で取り組んでいる東京圏国家戦略特区の主舞台となっていて、進境著しい他のアジア諸都市の発展に比して、地位降下の感のあった首都東京を世界の中心の一つとして再浮上させようという構想があります。

その東西のゾーンにおいて、現在最も話題を集めているのは、オフィスビルとして日本最高となる390mの「Torch Tower」(2027年度竣工予定・地上63階)を中心とする「東京駅前常盤橋プロジェクト」といえるでしょう。計画地は、大手町・丸の内・八重洲・日本橋の結節点に位置し、東京都心再活性化のシンボルとなるべく注目を集めています。

オフィスとしては空前のスケールが期待の大きさを窺わせる「Torch Tower」はプロジェクトのB棟となりますが、それに先立ち2021年6月に竣工するA棟の「常盤橋タワー」(地上38階)についても、オフィス有効面積約23,400坪に対しての契約状況は、竣工前時点で既に90%超と順調に進捗し、2022年3月期の三菱地所の連結営業利益予想額は過去最高水準に押し上げられました。

この「東京駅前常盤橋プロジェクト」の計画地の東側に隣接して、東京駅側から順に「八重洲1丁目北」「日本橋1丁目中」「日本橋1丁目東」の3つの再開発計画が加わりました。背後の日本橋川では水辺整備計画が予定され、それは大きなエポックを画するともいわれる日本橋川上空の首都高速道路の地下移設工事を伴い、都市の利便機能に加えて水辺の景観と回遊性を高めた親水空間をも実現します。

さらに、この3つの計画地の東側では「日本橋兜町・茅場町一丁目」の計画がかねてから決定されていて、結果として「東京駅前常盤橋プロジェクト」から連続した5つの計画地が永代通りに並行して展開します。国家戦略特区の計画では、この永代通りを、東京国際金融センターとして、ニューヨークやロンドンのように、グローバルな金融取引や投資活動の拠点、かつフィンテック人材やノウハウの集積地ともなるゾーンの基軸と策定しており、これらの開発はその構想実現の舞台となるでしょう。

東京駅八重洲口に、3つ目のミッドタウン

南北のゾーンにおける開発計画では、東京駅八重洲口正面で進められている「八重洲2丁目北地区」について、街区名が「東京ミッドタウン八重洲」に決定されたことが大きなニュースとなりました。ミッドタウンとしては、3つ目の建物(地上45階)となり、首都東京の玄関、東京駅と相対するゲートポジションに相応しいラグジュアリーホテル、「ブルガリ ホテルズ&リゾーツ」が国内初進出します。

この計画地の足元では、現状東京駅周辺に散在している高速バスや空港連絡バスの停留所が約21,000㎡のスペースに国内最大規模の20バースで集約・整備され(京王バス運営)、鉄道以外の交通インフラのハブ・ターミナル機能もさらに強化されます。

オフィスでは、ESG課題の解決のために、使用電力をグリーン化する「グリーン電力提供サービス」が導入されます。テナント企業のニーズに応じて、三井不動産が保有する太陽光発電所の環境価値を「トラッキング付非化石証書」として付加しグリーン電力として供給、このサービスを利用する企業の使用電力は、国際基準であるRE100に適合した電気として認定されます。

また、この「東京ミッドタウン八重洲」には、オフィス、商業施設、ホテル等以外にも、公立の中央区立城東小学校が、現在の仮校舎から移転してくることも話題になっています。中央区の特認校に加えて、「理数教育パイロット校」にも指定されており、「東京ミッドタウン八重洲」は、エデュケーションや地域コミュニケーションの活性化ポイントとして活用されることが期待されています。

首都機能のアップデートはいつもこのエリアから

こうした壮大なスケールの八重洲・日本橋エリアの再開発事業は首都東京に大々的な刷新をもたらすものではありますが、実は過去の重要な局面で度々繰り返された事業パターンでもありました。

最初の事例は、1590年の徳川家康の江戸入府の際のもので、江戸の都市造成の基盤ともなる町民街区形成は日本橋界隈が起点となって進められました。その後、時代が下って明治に入るや、大部分が木造建造物であった街区によって成立していた帝都東京は、防災の観点からも、また近代国家の首都に相応な街並みの見栄えとしても、欧米諸外国に比肩するに、格段に脆弱な感がありました。この解決のために、東京府知事 芳川顕正の提言に基づく「市区改正条例」を成立させ、現在の中央区を核としたエリアに限りある国家資産を集中投下し、建物の不燃化を推進するとともに、道路、橋梁、鉄道などのインフラの整備をも発展させようという構想が進められました。

こうして繰り返される都市計画の下、関東大震災や第二次世界大戦の戦災からの復興をも織り込みつつ、今日まで発展を遂げてきた街の姿に立脚して、世界をリードする首都のビジョンを果たしうるステップアップが、今後も推進されていくことになります。

今般の東京国際金融センターの構想についても元をたどれば、日本は貿易立国を目指すべきという主張の下、第一国立銀行を兜町に設立した中心人物である渋沢栄一や、三井財閥を築き上げた益田孝らが、商都の中枢機能をこのエリアに集中させようとした前例があり、こちらも「歴史は繰り返す」事例の一つといえます。

 

※それぞれの再開発計画において、開発地名に続けて第一種市街地再開発事業等の名称が付されていますが、省略しております。

 

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