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ドローン

 

2021年4月8日

物流の課題解消が期待されるドローン導入

物流市場がここ数年に亘って好調を継続しているのも、アクティブな配送ネットワークが常時十分に機能しているからこそ、という側面があります。
様々な課題に直面する都度、今までは主にマンパワーの頑張りでバックアップをしてきました。ドローンの導入は、今後クローズアップされていく労働人口減少などの状況下で、効率向上の施策の一つとして期待されています。

世界的に注目されるドローンテクノロジー

昨今、目覚ましい進歩を見せるドローンテクノロジーは、可能性の限界を感じさせない21世紀のトランスポーテーションとして多大な期待を集めつつあります。

もし、これを物流の現場に投入したとすると、シンプルに考えれば受注者から発注者へのダイレクトな物品配送が仕組みの上では可能になりますが、実際に導入するとなると様々なリスク要因や法規制等が立ちはだかり、実現に向けてはまだまだ膨大な議論の余地を残していると言わざるを得ません。

しかし現在、世界各国はこの新しいツールへの取り組みに躍起になっており、とりわけ中国に於いては、人間ですらも搭載対象としたドローンの開発が進んでいるという最近のニュースもありました。一方、国土面積としては中国にはるかに及ばない日本においては、技術的可能性の検討以上に、諸規制との折り合いをつける方により比重を置かざるを得ない状況があります。

そんな状況下ではあっても、2016年以降、物流局面に於ける官民一体となった導入実証実験が日本各地で行われています。この実験の意義を考察することによって、具体的な導入領域が顕在化してくると言えます。

物流システムの大きな負荷、「ラストワンマイル」問題

物流の現場に於いては、「ラストワンマイル」という事象が、長年に亘って物流効率向上の大きな阻害要因として挙げられてきました。これは配送の距離などを指し示しているのではなく、物流の最終配送拠点から発注者が荷物を受領するまでのプロセスを示しています。つまり最終着荷がスムーズに達成されず問題化しているという意味で、その主な原因は配達時の受領者の不在でした。このことが、再配達の頻発につながり、配達員への大きな労働負荷になるとともに、配達コストの上昇等の問題も引き起こしていました。

この「ラストワンマイル」問題については、社会的関心の高まりとともに、宅配ボックスやコンビニエンスストアなどによる一時預かりの普及や、荷物状況確認のイントラシステム等の機能が発達したこともあって、現状かなり解消の方向に進んだと思われます。

しかしながら、そうなると新たに別の局面での「ラストワンマイル」問題というのがクローズアップされてくるようになりました。

もう一つの「ラストワンマイル」問題

先述した「ラストワンマイル」問題というのは、主に都市部を中心として頻発していたケースです。それに対してここで取り上げる、もう一つの「ラストワンマイル」問題とは、山間部の過疎地域のようなスポットで発生している事象です。例えば、TV番組の「ポツンと一軒家」に登場するような山奥の家だとしても、配達ニーズがあれば配達員はそこに赴かざるを得ず、この「ラストワンマイル」に多大な労働負荷や効率悪化を強いられます。

そこで、こうした問題の改善のために、ドローンによる配達の導入が検討されています。つまり山間部近辺の最終配送拠点から受取人までの配送を、ドローンを使って実施するというプランで、日本各地で導入実証実験が行われているのも、ほぼこのケースでの実践トライアルです。

このことは、運転も容易ではない山奥の一軒家などに行くという、非効率なことから配達員を解放するだけにとどまらず、様々なメリットを同時成立させます。

配達車は他の荷物との混載にもなるため、パネルバン等のある程度の積載容量のものが一般的になります。そうなると、山奥ではあってもその大きさの配達車が到達し得るような道路インフラの整備を常に必要とします。

もし将来的にここにドローンの導入を実現できれば、キャピタルの大きな土木整備工事の負担軽減や、もっとダイレクトには、山道や隘路を走行せずに済むことで、燃料の消費とCO2の排出の軽減に貢献するという副次的効果も達成されます。

また、交通インフラが遮断されるような自然災害が発生した際にも、現状では復旧工事が進まないと物流は途絶したままですが、そうした被害の影響を回避し得る手段としても期待できます。

実例としては、長野県伊那市で「伊那市支え合い買物サービス条例」を可決するとともに、KDDIのサポートの下、自治体が運営主体になって、2020年8月よりケーブルテレビで注文された商品を、山間部の公民館までドローンで配送するという本格運用が開始されています。

 

物流ネットワークに於いては、現在、大都市周縁部でLMT(大型マルチテナント型物流施設)の需要が上昇していますが、こうした過疎エリアにドローン用の配送拠点が生まれることで、土地活用ニーズ向上や、あるいは雇用の創出といったことも考えられます。

とは言えその実現に向けては、ドローンの性能、例えば継続飛行可能距離や、積載重量、安全性の更なる充実が不可欠であるのと同時に、運用規則の柔軟かつ確実な策定などの構築努力も必要です。また、このドローンによる「ラストワンマイル」の採算が成り立つように、配送需要を太くするためのニーズの増大等の取り組みも推進されなければなりません。

物流業界は、慢性的な配送員の人手不足問題や、さらに今後重要度を増してくる排ガス規制問題等のリスクが常在している状態と言えます。ドローンの導入は、これらを一挙に解決し得ないまでも、一つの有効手段としてのポジションに成長することが期待されています。

 

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