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成長産業 「データセンターサービス市場」の将来性

2026年4月16日

成長産業 「データセンターサービス市場」の将来性

データセンターサービス市場予測、2030年には7兆円台か

総務省は、日本のデータセンターサービス市場は、2023年時点の約2.74兆円であった売上規模が、2028年には約5.08兆円へ拡大するとの予測を2024年7月に公表※1しました。

2024年当時では、生成AIは市場拡大の「加速要因」ではあるものの、「市場構造そのものを変える主因」にはならず、売上規模に与える影響は限定的と考えられていましたが、この1~2年の生成AIの急激な進化を受け、IDC(International Data Corporation・IT専門調査会社)をはじめとする各種調査機関により予測の見直しが進められ、2026年時点での最新見通しでは、2028年の市場規模は5.5~6.0兆円、2030年前後には6~7兆円台に達するとされています。

こうした背景のもと、日本のデータセンターサービス市場は、もはや単なるIT施設の枠を超え、「不動産・電力・デジタル産業」が交差する戦略的インフラとして位置付けられるようになってきました。政府も「デジタル田園都市国家構想」※3のもと、データセンターの集積や地方分散を目的として、補助金制度や規制緩和を通じた支援を進めています。

コロケーション市場とは

現在、データセンターサービス市場の成長の中核を担っているのは「コロケーション市場」です。

これは、利用者が自らサーバーを持ち込み、データセンター事業者が建物、電力、空調、通信回線などの基盤を提供するビジネスモデルであり、AWSやMicrosoftに代表される「ハイパースケール」事業者が、1施設あたり20~50MW超で利用する※3パターンの需要拡大が、日本市場では特に顕著となっています。

従来、データセンター(DC)の供給地域としては、低遅延性やネットワーク集積の優位性が重視されたことにより、東京圏・関西圏を中心に小規模なリテール型DCが多数立地していました。しかし近年は施設の大型化が進展し、2023年末時点ではラック数においてリテール型を上回るなど、ハイパースケール型データセンター(大規模DC)が市場を主導する局面へと移行しています。

その一方で、DCを開発する際に最大の制約条件として顕在化しているのが「電力」です。

都市部のDCは低遅延という利点を持つ反面、大規模化に伴う電力需要の急増により、大都市圏の電力系統のひっ迫が課題となっています。

データセンターと電力確保

また、都市部では特別高圧電力の確保や送電網の増強に様々な周辺状況との調整が必要となり、時間を要することから、近年では再生可能エネルギーを入手しやすく、冷涼な気候によって空調効率の高い北海道やインフラ基盤が発展しつつある九州など、地方への分散立地が進められています。

すでに2030年代を見据え、脱炭素電源と一体化した大規模DC拠点の整備も計画されており、また雇用創出や地方創成の面からも、今後は地方を中心とした用地ポテンシャルの向上が期待されます。

AI時代におけるDCは、不動産の観点から見ると「電力付きの超専門賃貸不動産」と位置付けられ、「高密度対応」「液冷対応」が新たな価値指標となっています。1ラックあたり20~30kW超を前提とした設計が求められ、また液体冷却に対応できるか否かが、賃料水準や稼働率を大きく左右します。今後、実質的な競争力を左右するのは電力確保の確度と技術対応力といえます。

※1 出所:「令和7年版 情報通信白書・第8節 データセンター市場及びクラウドサービス市場の動向」総務省 2025年7月発表

※2 出所:2025年9月1日デジタル庁更新 デジタル技術の活用により、地方の社会課題の解決、魅力向上のブレイクスルーを実現し、地方活性化を加速する施策

※3:近年新設される大規模施設の標準的な規模

日本のデータセンター市場推移予測

 

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