

2026年1月22日
2025年を通じてのオフィスマーケットは活況でした。2025年11月のデータでは、東京ビジネス地区※の空室率は2.44%(千代田区と渋谷区は1%台)、平均賃料単価は21,308円(渋谷区24,256円)でした。コロナ禍によりマーケットは一時的に低迷しましたが、現在は空室率、平均賃料単価とも改善しています。
改善要因としては都心回帰の高まりが挙げられます。帝国データバンクの調査によれば、2025年の上半期に地方から首都圏へ本社機能を移転した企業数は「過去10年で最多」であり、「5年ぶりに転入超過」となっています。地方から首都圏へ本社機能を移転した(転入)企業は200社、首都圏から地方に移転した(転出)企業は150社でした。転入元として多いのは大阪府、福岡県、茨城県の企業で、転入企業(200社)の内、売上10億円未満の中小企業が163社を占めています。
転入企業の増加は、地方からビジネスチャンスを求めて…というケースが多くなっており、事業拡大にはリモートではなく対面での営業活動が重要と考えている企業が多いようです。
さらに、東京都心に本社機能を有することによる“対外的な信用”や“ブランド面での優位性”が高まり、激化する採用環境の中、人材獲得がしやすいといったメリットもあり、結果として企業が首都圏(都心)に集中することになったと考察できます。
また、コロナ禍後は働きやすいオフィス環境づくりをテーマにしたオフィス移転も増加しています。三幸エステートの先進オフィス事例 2025年総集編では、『2025年は、オフィス出社を推奨する動きが一層顕著になった1年だった』と総括し、コミュニケーションの向上を目的とした移転の増加や、「出社したくなる」オフィス構築をテーマにした移転が多くなったと分析しています。
具体例としては、中野駅前の再開発ビル最上階に移転し、コミュニケーション強化を目的に広々とした共創空間を構築した「株式会社 フジテックス」、ITインフラの刷新と風通しの良いオフィス環境で従業員のモチベーションを高めるべく築地に移転した「株式会社 日刊建設工業新聞社」などの事例がクローズアップされています。
近年は、清潔・綺麗(築浅)で、ITが高水準で、駅近・買い物の利便性が高く、コミュニケーションも取りやすいフロア構成、なおかつ東京ビジネス地区などに立地するオフィスビルの人気が上昇しています。
この人気傾向を受け、都心部にはこれからも大規模オフィスビルの竣工が続々と予定されており、2025年の新規開業は24.3万坪で、2026年は18.0万坪、2027年は9.7万坪が予定されています。その多くが駅前再開発の進んでいるエリアで、東京駅周辺の「八重洲・日本橋・京橋」地区、「日比谷・内幸町・虎ノ門」地区、「高輪ゲートウェイ・芝浦・品川」地区などの大規模オフィスビルが注目されています。そして今後は新宿西口エリアの再開発で登場する物件にも注目が集まることが予想されます。
オフィス需要は、対面での営業活動のアクションを起こしやすい交通利便性の高い立地であることに加え、動きの速いマーケット動向を敏感に捉えやすい立地であることが求められます。このような観点からも首都東京の一極集中は今後も加速していくと考えられます。
※東京ビジネス地区:千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区

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