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物流の課題解消が期待されるドローン導入
2022年8月18日
新型コロナの感染拡大に伴い、低調な推移に陥るカテゴリーが多い中、EC物販は売上で顕著な上昇カーブを現出し、そのバックボーンとなる物流マーケットも活性の高い状態にあります。
その随所で、基点として機能する物流倉庫マーケットも同様に堅調な推移を続けており、首都圏では2022年第1四半期に過去最大の約26万坪という大量の新規供給があり、空室率は一時的に4.4%まで上昇しましたが、時間の経過とともにこの空室も徐々に消化されつつあります。今後についても同様に、大量供給に伴う空室率の上昇はあっても、旺盛な需要が継続し、懸念は少ないと見られています。
日本での2020年のBtoCのEC市場における物販系分野の売上は12兆2,333億円で、全物販売上のうちのEC市場で取引される割合、いわゆるEC化率は、前年比1.32ポイント増の8.08%となっています。しかし、世界的な視点で見てみると、EC化率の平均値は18.0%で、日本の数値は、まだまだ立ち遅れていて、今後、大きく伸長していく余地を残していると予測するべきでしょう。
となると、新型コロナの影響下にあっても好調に推移した物流マーケットに対する見通しも、この状況は今後も継続し、むしろEC市場拡大に同調する勢いで需要がさらに拡大する予測も成立することから、物流施設に対する旺盛な用地開発ニーズも、当面継続することが予想されます。
昨今、全国的に供給が相次いでいる物流施設は、大型マルチテナント型(LMT)という、複数の荷主企業が同居し、荷役のためのインフラや人員などを共有してコスト削減を図るタイプです。その一方で、荷主企業そのものが物流施設を保有するファーストパーティーロジスティクス(1PL)というケースも多く見られます。
代表的な1PLの ECプレイヤーとして、年間売上高2兆5,378億1,000万円(2021年)のアマゾンジャパンを取り上げてみると、同社はフルフィルメントセンターという物流拠点を全国に23施設保有しており、その総床面積は150万平方メートルにも達します。今後さらに、懸案のEC化率の上昇に対応するためには単純に見積もっても、この2倍程度の床面積が必要となってくる目算です。
他にも、セカンドパーティー(2PL)やサードパーティー(3PL)などのロジスティクスプレイヤーがひしめいていることを考えると、候補用地取得については、今後一層競争が激化していくことは想定しておく必要があるでしょう。
物流マーケットが、EC化率の伸びに対応していくためには、日本全体の労働人口の下降トレンドの中、物流業界への従事者を、拡大する市場スケールに適合する程度に確保していく必要があります。さらには、働き方改革関連法により、ドライバー運用に様々な制約が加わる2024年問題という大きな壁も立ち塞がるであろうことが予想されます。今後は、従来の面積重視の用地取得方針に、こうした人員稼働効率をも勘案した条件を付加していかなくてはなりません。
物流マーケットにおいて課題が顕在化しつつあるカテゴリーとして、冷蔵・冷凍倉庫があります。これまでは、専門企業のみがその開発に携わっていましたが、既存施設全体で老朽化が進んでいる状態ながらも、設備費等の負担の大きさやフロンガスなどの使用冷媒への制約等が種々あることで、強い需要に対応する新規供給やリニューアルがなかなか捗らない状態にあります。
今後この分野には、3PLや豊富な投資をバックボーンとしたプレイヤーの参入が予想され、マーケットを拡大する要素の一つとして注目されています。普通倉庫に較べて建設費用が2倍になるともいわれる冷蔵・冷凍倉庫は、また運用時に消費される電力も大きく、賃料設定が高くなる分、より大きな金額が流動することになり、海外投資家などの注目度も高くなっています。
こうした冷蔵・冷凍倉庫を介しての食品・飲料等の流通ネットワークは、コールドチェーンと呼ばれていますが、その運営にスムーズさを欠いた際には、忽ち供給不安や食品ロスに直結しかねません。冷蔵・冷凍倉庫の整備については、欧米諸国に比べてキャパシティとして後塵を拝しているアジア各国の関心もひときわ高く、ハイレベルの知見を有するプレイヤーが登場し、その力量を発揮することが期待されています。
2000年代初め、資産の流動化に関する法律による不動産ファンドやREITといった証券化の活用により、米資本の物流施設デベロッパーが日本における投資を本格的に始めました。
それにより、首都圏では国道16号沿いや高速のIC付近を中心に巨大物流施設が現れ、日本およびアジアのデベロッパーもそれに追随し、更に活発な開発が行われています。
その利用者にはAmazonや楽天といったEC事業者と物流効率化を模索する3PL事業者が多く、年々利用量が増えている状況が続いています。
そして、この新型コロナ禍において「巣ごもり需要」による物販EC化に拍車がかかりました。これまで実物を確認してからでないと購入しなかった中高年世代にも携帯で商品が手軽に買えて自宅に届く便利さから広く普及し、今後もその裾野を広げていくと思います。
そんな物販ECを支える物流施設ですが、今後その需要を超える大量供給が数年続きます。
その背景の一つには、デベロッパーの新規参入が増えていることが挙げられます。
2021年では13社もの参入があり、先行しているデベロッパーに猛追するとばかりに開発を行っており、用地取得の難易度から中小規模の物流施設も多く見受けられます。
そのため、圏央道圏内や地方主要都市の近隣の物流適地の売却情報が小規模、大規模問わず常に枯渇している状況が続いており、弊社に寄せられるご相談も購入ニーズが大変増えている状況であります。
現在、弊社の工場・物流施設売買サポートは、首都圏15名のチームメンバーと地方主要都市の支店メンバーとのリレーションにより、全国の事業用地(地方都市は物流適地に限ります)の取り扱いをしております。
これまでの実績に基づくノウハウと蓄積したデータを駆使し、工場の跡地有効活用から、開発許可の蓋然性が高い市街化調整区域の農地など、取扱が難しい中長期案件にも積極的に取り組むことで事業用地化し、お客様の事業発展のお手伝いを行っております。
物流用地に限らず工場用地やデータセンター用地についても、最新情報をウォッチしておりますので、事業用地のご売却やご購入の相談、有効活用をお考えの際には、是非お問い合わせください。
三井不動産リアルティ株式会社
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