エリア特集

REALTY PRESS
新宿

2022年1月14日

東京都庁舎を上回る高層ビルが出現、
新宿大規模再開発計画

ターミナルシティから、カルチャー&コミュニケーションシティへの
変貌を実現するべく、巨大構想が動き出します。

新宿再浮上のカギ、「グランドターミナル」構想

新宿で、駅を中心とする大々的なスケールでの変革が行われようとしています。

それは、「新宿グランドターミナル」構想というもので、新宿駅を中核として街の在り方を再構築していこうという計画です。

この計画が発案された背景としては、都内の他の拠点と比較して、ここのところ「新宿」の相対的地位が低下してきた感があるということです。その理由としては、主に以下の要因が挙げられます。

  • 丸の内、銀座に較べて街の成立は新しいものの、シンボルであった高層ビルの築年数も軒並み50年前後に差し掛かるなど、中心エリアの建物の老朽化が顕著になってきた
  • 新宿駅は9路線が集中し、世界一の乗降客数を誇る駅である上、明治通り・青梅街道・甲州街道等が近接するなど、交通インフラでの利便性が極めて高い反面、それらが却って歩行者にとっての安全性、利便性を阻んできた
  • 西新宿を中心としたビジネスゾーン、駅直近のデパートを核としたショッピングゾーン、歌舞伎町を中心とした飲食・歓楽ゾーンと、それぞれの特性が際立っているものの、ゾーン間の回遊性の活性が低く、用のあるゾーンにしか行かないという傾向が強いことに加え、新宿駅の物理的立地がゾーン間の移動を億劫にしている

この「グランドターミナル」構想で、こうした手詰まり感や、ゾーン間のバリヤーを廃し、「交通中心のまち」から「人中心のまち」への変革を実現しようとしています。加えて、東京都を訪れるインバウンド客の6割近くが新宿を訪問するというデータも踏まえ、国際ビジネスゾーンとしての機能を街全体で充実させていこうとする意図もあります。

構想の中核となるのは、もちろん「新宿駅」です。現在の駅は各交通インフラ間の移動が煩雑であることに加えて、駅の東西間の移動にもストレスを伴う状態ですが、この構想では、駅のリニューアルの際、2020年に供用が開始された地下東西自由通路に加えて駅上部にも東西通路を構築し、駅の東西回遊をスムーズにする骨格を強固にするのと併せて、各交通インフラへのアクセシビリティを向上させます。

また現状では、各交通インフラの運用効率を優先していることにより、駅構内、駅近辺に歩行者が滞留しにくい状態になっているのを、駅周辺の整備後には、駅前への車両の流入を抑制することで解消し、この滞留する歩行者を現在の駅には備わっていない広場空間「セントラルプラザ」に誘導します。そしてこの「セントラルプラザ」を、駅を東西南北に通過する際の心地よいスペースとして機能させる一方、イベントやギャラリーなど、コミュニケーションスペースとして活用するケースも併用していきます。

さらに新宿は、新宿中央公園、新宿御苑という広大な緑地を擁していますが、そのグリーンをシンボライズするような植栽スペースを、グランドターミナルの随所に配して、滞留する人に快適な環境を提供することを想定しています。 こうして、この「グランドターミナル」構想は、2040年代の実現に向けて、多層的に計画が進められています。

壮大なスケールで始まる再開発計画

「新宿グランドターミナル」構想については、目下、国土交通省・東京都・新宿区と鉄道5社が主な事業者となって推進されていますが、その整備目途は2040年代ということもあり、詳細はまだまだ今後詰められていくという段階にあります。

ただ、新宿駅界隈では早くもこの構想に反響するかのように、種々の再開発計画の開始、或いは発表が相次いでいます。

新宿駅の東側では、高層ビルというと今までは代々木寄りのNTTドコモタワーが挙げられる程度でしたが、現在、歌舞伎町で「新宿TOKYU MILANO」(225m)の建設が、2022年度末の竣工を目指して進められています。

また、大きな話題を呼んだのが2022年9月で営業終了となる小田急百貨店のある新宿駅西口「小田急ビル」を、2029年度開業予定で新駅ビルにリニューアルする計画です。このビルは地上48階建てで、低層階は商業施設、高層階はオフィスとなり、その高さは260mと現在周辺で最も高い東京都庁舎(243m)をも上回る計画になっています。

その計画に呼応するように、新宿駅の反対側の築50年を超える「ルミネエスト新宿」にも西口側と同スケールでのリニューアル計画があり、駅を東西で挟んで高層建築物が出現します。

東京都庁近辺では、初台の「東京オペラシティ」と「新宿パークタワー」との間の西新宿3丁目に、こちらは住居棟ですがツインタワー(235m・3,200戸)の計画があり、新宿エリアは半世紀ぶりに高層建築ラッシュ期を迎えるという状況になっています。

「新宿グランドターミナル」構想と、この一連の再開発計画には、密接な連携が不可欠で、歩行者に対するよりスムーズな動線計画や、街の活性化に直結するエリアマネジメントが柔軟に構築されることが、街のポテンシャルの大きな向上の成否のカギになります。

2040年代を見据えての計画の推進に当たっては、明確なビジョンと、まち・人に資するための有意義な議論や、事業側からの一方的な情報公開に留まらず、受け手側からの意見や要望をも柔軟に反映させての相互交流が大いに盛り上がることが期待されています。

現場から一言

長谷川駿平

1日平均350万人という世界一の乗降客数を誇る新宿駅。駅周辺では膨大な乗降客が商業、娯楽、観光、ビジネスといった目的で行き交い、まさに多様性のある顔を持つのが新宿の魅力です。これまで東京の商業エリアを牽引してきた新宿ですが、近年では六本木、渋谷、丸の内、銀座、虎ノ門等、都心各所の大規模再開発により新宿の魅力が相対的に低下してきております。

1960年に新宿副都心建設計画が決定し、それに基づき新宿駅西口にあった淀橋浄水場を移転、その跡地に高層ビル群が林立、西口駅前においても地下広場や立体式ターミナルの整備、小田急、京王の二つの百貨店の開業等、新宿は副都心としての地位を確立しました。しかしながらその後半世紀近く経ち、駅周辺のビルも築50年を超すものが増え、新宿の街全体が、更新の時を迎えつつある中で、ようやく2046年度の事業完了を目途にJR新宿駅の東西・線路上空を中心とした大規模再開発として「新宿グランドターミナル」構想が発表されました。

新宿は東口に世界的にも有名な歓楽街を抱え、当「新宿オフィス」においても外国人投資家をはじめ新宿を購入の希望エリアとされるお客様は多く、まだまだ日本を代表する街と言えます。新しい新宿がその不動産の価値を高めて、世界を代表する街としての地位を確立する日も近いのではと思っております。

私ども「新宿オフィス」は新宿を基点に城西・城北エリア、東京都下の投資・事業用不動産に関するコンサルティング業務を行っております。不動産に関する資産形成や有効活用、相続対策、不動産投資等、三井不動産グループのネットワークや顧問税理士事務所と連携しながらお客様の問題に最適解を導き、問題解決の一助になれば幸甚です。是非お気軽にご相談ください。

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