三井不動産リアルティ

Vol.85 2022 5月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
まばゆい新緑の中、農作業が本格化する時節です。
この時期にしっかり段取りを整えることが、秋の収穫の際に
豊かな成果をもたらすことのカギになります。
農業以外の仕事においても、それは同じ、
先々を見据えて、しっかりプランを立てましょう。
それでは5月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

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今月のトピックス

Topics 1 マンハッタンの「コンド」「コアップ」「タウンハウス」とは
Topics 2 東京圏の人口流出入と鉄道整備計画
Topics 3 日比谷で開始される都内最大規模の開発

Topics 1

マンハッタンの
「コンド」「コアップ」「タウンハウス」とは

 日本へ投資する海外勢ならたぶん知っているであろう、マンハッタンの南半分にある住宅の各種をご紹介します。マンハッタンの面積は山の手線の内側とほぼ同じですが、北半分は重要ではありません。ここでは自己居住目的の住宅を念頭とします。

 「コンド(コンドミニアム)」は日本の分譲マンションと似ています。価格も築年数も広さもピンキリで、2019年1月にはニューヨーク、ビリオネア―ズローの「220セントラルパーク・サウス」で2.38億$(307.0億円)という成約がありました。これは超ド級で、超高層マンション内の4つの階を連結した24,000 sqft(square feet)の広さの住戸でした。一般に2,000万$(25.8億円)以上がウルトラ・ラグジュアリーと呼ばれ、かなりの頻度で売買されています。

 「コアップ」は物理的にはコンドと大差がないのですが、法律的には大きく違います。各コアップ専用の会社や組合がその建物全体を所有し、住民はコアップの出資持分を取得する事で入居します。コアップではたいていボード(役員会・管理組合)による入居審査があります。新築の分譲マンションは、今は全てコンドで、コアップはありません。以前、日本の国連代表用だったアッパーイーストサイドのコアップ「740パーク・アベニュー」のデュープレクス・18室が2022年2月に6,000万$(77.4億円)で売りに出されました。

 同じようなコンドとコアップがあった場合にどちらの方が価格が高いかは、ケースバイケースです。コアップの役員会が居住者に何かとうるさい事を嫌いコンドの方がいいという人もいれば、そのうるささゆえの安心感からコアップの方を評価する人もいます。そもそも個別性による違いの方がはるかに重要です。

 「タウンハウス」はテラスハウスを5-7階建てにした連棟式住宅です。各人の所有部分は1階から垂直方向へ上に伸びるのですが、各住戸の横幅はたいてい8m程度しかありません。これらを長屋のように横に連ねるので、全体ではそこそこ大きく重厚な建物となります。各戸専用の狭小エレベータが各住戸内の奥にあります。日本の江戸時代に竣工したという物件の取引もよくあります。タウンハウスは築年は古いのですが、概して立地が良い物が多く、2022年2月にアッパーイーストサイドの7階建て、13,000 sqft超の物件が5,600万$(72.2億円)で成約しました。

 「一戸建て豪邸」はかなり珍しい存在です。石造りのこのような豪邸が昔はマンハッタンで多数建てられていたのですが高層住宅や商業建物に建て替えられ、今あるのはその生き残りです。現在はほとんどがショールーム、画廊、オフィス等として使われています。2022年の4月に1890年代末築造のアッパーウエストサイドの12,000 sqft前後で8寝室ある物件が6,500万$(83.9億円)で売りに出ました。

 なおアメリカ全体で見ると最も多い住宅は「一戸建ての木造住宅」で、これらは2×4工法で建てられています。日本では三井ホームがこの工法の最大手です。しかしマンハッタンの少なくとも南半分では、このような木造の一戸建て住宅は見かけたことはありません

(ドル=129円 2022年5月15日近辺のレート)

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

東京圏の人口流出入と鉄道整備計画

 新型コロナウイルスの影響による、東京都の人口減が注目されています。下記グラフの統計数によれば、東京23区の転入転出人口(23区内移動者数を含む)は、2019年の転入超過数64,176人であったものが、2021年には-14,828人と転出超過に転じています。

 区別で見ると、港区、新宿区、目黒区、豊島区、江戸川区では2020年からマイナスへ、2021年はさらに品川区、大田区、世田谷区、渋谷区などがマイナスに転じ、城西・城南エリアの多くで転出超過となりましたが、城東、城北エリアの多くは、減少してはいるがマイナスにはなっていない状況です。

 年齢層別に見てみると、2020年の東京都全体では10~20歳代以外のすべての年齢層が転出増にはなっていますが、10~20歳代の転入人口は依然として高い水準にあり、ニュースなどによって受ける印象ほど東京都の人口減は大きな数値を伴って進行しているということではないようです。

 この春、東京メトロが2030年代半ばの開業を目指して、地下鉄2路線の延伸事業許可申請を受けました。その1つが有楽町線の「豊洲~住吉間の延伸」です。現在の有楽町線は、埼玉県の和光市から池袋、飯田橋、有楽町、豊洲を通り、新木場に至るルートですが、延伸申請案では豊洲から東陽町、住吉を結ぶ路線が新設され、東陽町で東西線へ、住吉で半蔵門線への乗換が可能となります。これまではなかった江東区内を南北に結ぶ路線が出来ることで、区内の交通利便性は大幅にアップすることになります。

 さらに湾岸エリアでは、秋葉原、東京、銀座、晴海、豊洲市場、国際展示場を結び、つくばエクスプレスへの直通乗り入れも検討されている新規の地下鉄路線や、既に事業許可が下り、2029年度の開業を目指している「羽田空港アクセス線」など、複数の新線計画が動いています。

 住宅市場としての視点からは、東京都から他府県へという人口の移動に加えて、都内間でも、分譲マンション価格の上昇幅や賃貸マンション賃料の引上げ幅が大きかった城西・城南エリアから、コストパフォーマンスの良い城東・城北エリアへという人口の移動が多く見られました。

 今後、湾岸エリアとしてのアクセスの良さを強みとした城東方面には、これまで以上に注目が集まると考えられます。住宅地としての歴史の長さは東京の西側・南側のエリアに譲る部分はありますが、インフラの発展と歩調を合わせて住環境の整備も進められ、利便性も向上することで、将来的ポテンシャルがますます高まることが期待され、目を離せないエリアとなっています。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

転出入超過人数推移

Topics 3

日比谷で開始される都内最大規模の開発

敷地面積65,000㎡超の大規模リニューアルによってグローバルな注目を集めるステージが誕生します。

「REALTY-news」をお読みいただきまして、
誠にありがとうございます。

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