三井不動産リアルティ

Vol.78 2021 10月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
抜けるような空、爽やかな風。いよいよ秋本番のこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
10月の気候は、昼夜の温度差が大きく、また上旬から下旬へと平均気温が下がっていくのが特徴です。
体調管理には万全を期して充実の秋を過ごしましょう。
それでは10月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

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今月のトピックス

Topics 1 「オール・インクルーシブ・リゾート」に高級ホテル会社が進出
Topics 2 働き方の多様化への対応を求められるオフィス
Topics 3 都市機能を向上する施策、ロードプライシング

Topics 1

「オール・インクルーシブ・リゾート」に
高級ホテル会社が進出

 「オール・インクルーシブ」とは「すべて込みこみ」という意味で、リゾートホテルの宿泊料に最低でも「三回の食事+ドリンク飲み放題」が含まれています。滞在型ホテルの一種で世界に約1,500か所あるとされ、クラブ・メッド(地中海クラブ) がそのパイオニアです。

 宿泊料はピンキリで、各施設で利用可能なものに何が含まれるかもまったく異なっています。例えばプール、ビーチでの遊び、スパ、バスケやビーチボール、ジムやヨガ、ショー、保育スタッフ、ゴルフコース、スキー場、周辺のミニツアー等が代表的です。ある施設では「宿泊料に含まれる」として60弱の項目をリストアップしていました。

 カリブ海には「オール・インクルーシブ・リゾート」が特に多く集中していて、アメリカ人ファミリーの旅行先として定番です。この地域には低料金のものが多く、それがたたって「チープ」というイメージがあります。

 しかしそのカリブ海で今、「ラグジュアリーなオール・インクルーシブ」というタイプのものの進出が本格化しています。大手で最初に始めたのはヒルトンで、2018年に地元のオール・インクルーシブと提携しました。近々、4施設になります。

 マリオットは2021年の5月に7,000室を運営するオール・インクルーシブの会社を買収しました。現在20施設ですが2025年には30施設以上に拡大する予定で、中にはリッツ・カールトンやウエスティンといったハイブランドなものもあります。

 ハイアットはカリブ海を中心に営業している総合レジャー会社の買収を2021年8月に発表し、現在その手続き中です。この会社はオール・インクルーシブでも最大手の一社です。

 価格差をざっと見ると、ハイブランドのものは一泊1,300$(14.4万円)程度以上、従来型のものは大体200-400$(2.2-4.4万円)程度のようです。

 新型コロナの影響もあって、オール・インクルーシブの人気が高まっています。現地で動き回らないので感染リスクが低く、また施設内でアメリカ帰国時に必要なコロナの陰性証明書を発行してもらえます。旅行の手配に手間がかからず、着いた日からすぐにリラックスできるという点も好評で、リピーターに加えて初めて利用する人も増えています。

 2021年の冬休みはカリブ海が大賑わいになりそうです。コロラドは人気のスキー場なのですが地球温暖化で雪がないとか、ヨーロッパは新型コロナの入国規制の現場が各国で異なる上、頻繁に変更されるというようなリスクがあります。その点、カリブ海は暖かくて天気も良く、「島めぐり」などはせずに「一か所でゆっくりする旅行」が今年はもっとも安全というわけです。

(ドル=111円 2021年10月5日近辺のレート)

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

働き方の多様化への対応を求められるオフィス

 前月に引き続いて、テレワークの現状をリサーチしました。

 2021年9月、アドビ株式会社が「未来の働き方に関するグローバル調査」の結果を発表しました。本調査は、日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・オーストラリア・ニュージーランドに所在する従業員数1,000名以上の企業の勤務者、男女計3,404名を対象としたインターネット調査です。

 その中で「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事は はかどる」との回答率が高かったのはニュージーランドとオーストラリアで、共に肯定的な意見が75%を超えています。一方、日本は比較7か国の中で最下位の42.8%。「テレワークでは仕事がはかどらない」と考えている人が半数を超えます。

 また、同調査では「全体の業務時間の中で紙文書の作成・確認、ファイル管理・検索等にかける時間の割合」も聞いています。結果は、日本が最多で35.5%(8時間勤務だと2.8時間相当)ですが、最も少ないニュージーランドでも29.7%(同2.3時間)なので0.5時間程度の差しかありません。

 よって、アンケート結果からは「日本ではテレワーク阻害要因とされる文書仕事は、言われているほど多くはないものの、テレワークよりもオフィスワークの方が働き易いと考える人が多い」と考えられます。

 前月号で取り上げた「日本の主要企業は、今後はテレワークの実施は縮小する方針の会社が増えている」という傾向を併せると、日本では経営者も従業員も「テレワークではない」勤務形態の指向が高いことが分かります。これは、日本人らしく「周りを見ながら仕事をする」ことを重視しているからと考えられます。

 もちろん、テレワークに適性が高い職種は確実にあり、無理にオフィスワークに戻すことは無いと思いますが、やはり多くの日本のオフィスワーカーは「DXの進化ですべてを解決できる」とは思っていないようです。反面、コロナ禍をきっかけに広まったテレワークの良さ、例えば遠距離間の急な打ち合わせにも対応、必要性の低い出張の削減、フレキシブルな働き方が出来る、等は今後も評価され、テレワークの継続につながるでしょう。

 それを踏まえると、これからのオフィスに求められる「条件」はより高度になると予想されます。具体的にはオフィスのハード的な機能として「空調を含めた感染対策が出来ている空間設計」や「テレワークコミュニケーション環境が整備されていること」に加え、「ソーシャルディスタンスが取れるオフィス設計」等が考えられます。特にテレワークの頻度が高まってくると、客先を含めたオンラインコミュニケーションの取りやすいオフィス環境づくりが重要になってきます。

 コロナ禍前、フリーアドレスのオフィス開発に注目が集まりました。その当時のコンセプトは、業務のクリエイティビティ向上のための、デスクスペースの削減とミーティングスペースの拡充でした。今後のコロナ対策重視のオフィス設計は、若干の差異はあるものの、ツールの進化と就業場所の柔軟化、働き方の多様化に対応する新しいオフィススペースの重要度が増すことには変わりありません。それに応じかねる、空調やICT適応の弱いビルには厳しい状況になると予想されます。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

「オフィス勤務よりテレワークの方が仕事がはかどる」の回答率
全体の業務時間の中で雑務にかける時間の割合

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Topics 3

都市機能を向上する施策、ロードプライシング

ロードプライシングが実現する経済活動の阻害要因となる渋滞の低減と、環境面への配慮や、交通利便性の向上。また、「ESG経営」の観点においてもその導入はメリットを増幅します。

「REALTY-news」をお読みいただきまして、
誠にありがとうございます。

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