エリア特集

REALTY PRESS
Goodjob

Good Job of Realty 2019年秋

三井不動産リアルティグループのソリューション・メンバーが日本の各地の市況をご紹介します。

2019年10月28日

北海道

三井不動産リアルティ札幌株式会社 ソリューション営業部
部長 江川 尚志 / グループ長 石本 崇

札幌駅南口再開発に注目

札幌の不動産市況について

オフィス空室率が2.29%(2019年6月末時点)とオフィス市場は引き続き堅調に推移しており、企業の賃借ニーズも旺盛であるため、現在建築中のビルについても高稼働での竣工が見込まれています。オフィス賃料水準は上昇傾向にはあるものの全国主要都市の中ではまだ比較的リーズナブルであるため、中心部でもコールセンターとしての事務所使用が多く見られるのは札幌の特徴です。

また、売買市場については、ホテル、オフィスや一棟レジへの投資ニーズは引き続き旺盛ではあるものの、実際には投資家の希望するエリアはとても狭く、売り物件がなかなか出ないため、ひとたび物件が出れば競合し高値での取引がされている状況です。

エリアのトピックス
札幌駅南口付近

札幌の再開発の目玉である札幌駅南口駅前再開発がようやく動き始めました。2009年9月に札幌西武が閉店。ヨドバシカメラが跡地を取得したものの、その後9年以上も未利用・低利用の状態が続いていましたが、周辺の地権者所有地と合わせた約1haについて、本年5月に再開発準備組合が設立されました。

同準備組合は、ヨドバシカメラの店舗、ホテル、オフィス、劇場、商業施設などの超高層複合ビルの開発を想定しており、北海道新幹線が札幌まで延伸する2030年度までの開業を目指すとのことです。

東北

三井不動産リアルティ東北株式会社 ソリューション営業部
部長 安藤 昭浩

再開発が地元活性化に寄与

仙台市の市況

東北唯一の政令都市仙台の市況は、堅調に推移しております。

仙台市オフィス平均空室率は4.18%に低下し、特に仙台駅前西口エリアは2.54%と賃料上昇要因となっています。

今後、東京建物、NTT都市開発、JR東日本、東洋プロパティ等の新規オフィスが竣工予定ですが大きな床面のオフィス需要は強く、空室率は引き続き低下すると予想されます。

また、インバウンドの影響で、宮城県への2019年1月~4月外国人宿泊数は、163,160人、前年比156%と、大幅な増加傾向となっております。京阪ホテル、ホテルグランバッハ、HISの変なホテル、ダイワロイネットホテル等、ビジネスホテルの建設ラッシュとなっていて、今後、約1,000室が増加する予定です。

仙台駅西口の再開発計画
仙台駅西口付近

現在、仙台駅西口にある2つの再開発計画が今後どうなるかが、地元では大きな注目となっております。ひとつは、さくらの百貨店跡地、もうひとつは、オリックスが所有する低層商業施設エデンの再開発計画になります。

仙台市も、都心再構築プロジェクトと称して、中心部の老朽建物の建替えと企業立地の促進を取り組みはじめました。 ①建替え促進助成金制度の創設 ②高機能オフィスの整備と容積率の緩和 ③企業誘致体制の強化と助成制度の拡充、そして駐車場附置義務における駐車台数の緩和等、震災復興需要が終息した中で、新たに躍動する都心づくりの実現に向け再開発を後押します。

仙台の玄関口となる再開発が、今後、地元の活性化に大きく寄与することは間違いないと考えています。

名古屋

三井不動産リアルティ株式会社 名古屋支店 ソリューション営業部
部長 中根 伸一

名古屋市内都心部で顕著な地価上昇

エリアの市況
名古屋市栄エリア

7月1日に公表された名古屋市内の路線価最高額は名古屋駅東口の1104万円/㎡。最も上昇率が高かった地域は、「中区栄3丁目エリア」で昨年比23.5%の上昇となりました。

これまで二桁上昇を続けてきた名古屋駅エリアに加えて、大規模な再開発が計画されている栄・伏見エリアが追随し、名駅の一極集中から、高容積エリアを中心に広範囲で地価の上昇がみられるようになりました。

ちなみに東海3県の平均路線価は、愛知が7年連続で上昇、岐阜と三重はいずれも昨年を下回る結果となり名古屋都心部と地方の差が顕著となっております。

エリアのトピックス

二年ぶりの名古屋勤務で、ホテルの建設ラッシュにまず驚かされました。ちょうど2016年9月に三井ガーデンホテル名古屋プレミアが開業し、その翌年4月から2年間本社へ赴任したのですが、当時まだ計画段階だったホテルに加え新規計画も次々に着工・竣工し既存ホテルも高稼働を維持していると聞き及んでおります。その背景には、ホテルの客室増に合わせて順調にインバウンド観光客が増加しているとの理由があるそうです。

今後の注目エリア

今後、名古屋駅西側エリアは大きな変貌を遂げようとしています。名古屋市は、リニア開業にむけ国際レベルのターミナル駅として魅力・活力あふれる「名古屋駅周辺街づくり構想」を計画・実施しており、当営業部でもこのエリアの街づくりに貢献できるよう名古屋駅西エリアの各地権者様のニーズに合わせた様々なご提案に取り組んでおります。

関西

井不動産リアルティ株式会社 関西支店 ソリューション営業部
部長 神宮 保彦

さらにスケールの大きな発展が見込める大阪市

関西では大阪・京都・神戸とそれぞれ独特のマーケットが形成されてきました。3つのマーケットを併せると首都圏に次いで大きなマーケットになります。

京都・神戸
梅田北ヤード付近

古都京都中心部のマーケットは国内・国外問わず外からの需要が非常に多いエリアであるために価格も高額になりますが、古都ゆえに建築などに関して厳しい制約があります。大阪駅から神戸駅までのいわゆる阪神間のマーケットは住宅実需が根強いマーケットで、芦屋に代表されるように人気のある住宅地が分布し、その人口に駅前市街地のマーケットが支えられているエリアです。

劇的に変化する大阪

関西でもっとも変貌をとげつつあるのが大阪中心部のマーケットです。新幹線、関西空港・伊丹空港、大阪港など交通の便に恵まれるとともに、先日開催されたG20に始まり、大阪万博、IR誘致等のイベントが目白押しであること、うめきた第二期開発等の開発事業によってインフラが再整備されつつあること、また民泊事業においては特区に指定される等、今までのドメスティック重視のマーケットから大きく変化しています。観光客の飛躍的増加にとどまらず、海外の投資家層のなかでも大阪市内の不動産が注目されており、今までと別次元の都市ステージにステップアップしていくと言っても過言ではないでしょう。

中国

三井不動産リアルティ中国株式会社 ソリューション営業部
部長 岡本 泰彦 / グループ長 藤本 光之 / 岡山支店長 井坂 顕一

足元の豊かな自然の訴求力に気づく「瀬戸内」

エリアの状況

TOKYOFMと瀬戸内各県のFM放送局で毎週放送されている「NAGOMI瀬戸内」という番組では、その冒頭に「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」という瀬戸内の美しさを評する言葉を毎回語りかけてきます。この言葉は、シルクロードの命名者として知られるドイツの地理学者、リヒトホーフェンが1860年に瀬戸内海に立ち寄り、その美しさを旅行記に託して世界に発表した内容の一節です。

「広い区域に亙る優美な景色で、これ以上のものは世界の何処にもないであらう。将来この地方は、世界で最も魅力のある場所のひとつとして高い評価をかち得、沢山の人を引き寄せるであらう。《中略》かくも長い間保たれて来たこの状態が今後も長く続かんことを私は祈る。」
(環境省 せとうちネット掲載訳文より)

瀬戸内海の風景

このように評される瀬戸内の訴求力を再発見し、ブランディングとインバウンドを含めた経済効果を目指す試みが活発化しています。

例えば、岡山・香川の島々を舞台に開催される現代美術のトリエンナーレ「瀬戸内国際芸術祭」(ちょうど今年は4回目の開催中です。)は、島々の風景と生活に溶け込むよう配置された作品群を見に、100万人をゆうに超える来訪者を生む一大イベントに成長しました。海外からも含めた観光客のみならず、定住者をも呼び寄せるパワーを持ちます。

日本銀行広島支店がこの8月に公表したレポートによると、2018年の広島県におけるインバウンド消費額は318億円にのぼり、広島東洋カープの経済効果356億円にほぼ匹敵する規模になったとのこと。実際に、瀬戸内の最大都市・広島市では、この先4年間に3000室以上のホテル客室が新規に出現する開発計画があるなど、わが不動産業界にも大きなインパクトを与えています。なにげにカープの経済効果もすごいのですが。

九州

三井不動産リアルティ九州株式会社 ソリューション営業部
部長 若松 健一郎 / グループ長 中川 健太郎・持永 伸一郎

福岡市で向上する、都市インフラ機能

福岡市
福岡市 天神 渡辺通り

「天神ビッグバン」、そのエリアは天神交差点から半径約500mとされ、その西のゲートと位置付けられた「大名小学校跡地活用プラン」の全体像が明らかになり、再開発が動き出しました。同地区で建設される地上25階・地下1階建の高層複合ビルですが、高さは111mと規制緩和※の115mに迫る建物になる予定です。

また、ホテルの開業ラッシュも続いており、三井ガーデンホテルが福岡県に初出店、「三井ガーデンホテル福岡祇園」を6月に開業、直近では、建て替え中の「都ホテル博多(博多駅筑紫口正面)」が開業間近となっています。

※福岡空港は博多駅から地下鉄で約5分、天神からでも約11分と利便性の高い空港と言われている反面、都心部から近すぎることから航空法の高さ制限が厳しいものとなっています。

熊本市

熊本地震からの復興を目指す熊本では、中心市街地・桜町地区の再開発エリアの各施設(バスターミナル・MICE施設・商業施設・住居・ホテル・シネコン)が9月より順次開業予定となっています。また、JR熊本駅周辺の再開発エリアでも、JR九州が「博多駅ビル」に次ぐ規模の新駅ビルを建設する予定となっており、産官連携のもと街づくりが活発となっています。

また、熊本空港においては、三井不動産を代表企業とした「MSJA・熊本コンソーシアム」が出資する「熊本国際空港株式会社」が、7月より熊本空港のビル施設事業等を開始しました。

 

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