2022/1/28
― 「ソリューション事業本部」内での業務内容を教えてください。
蛭子 不動産に関係することはもちろん、その他の資産やご家族のことについて、または今後の相続、事業承継の計画についてなど、お客様の漠然としたお悩みをお伺いしたり、まだご自身でもお悩みが整理できていない方のお話を伺ったりすることが大きな仕事です。私が所属するウェルスサービスグループは個人の投資家様や資産家様、中小企業のオーナー様などが主なお客様で、不動産仲介や土地活用をはじめとした具体的なソリューションを行う前の段階でお客様が資産戦略における目標を見つけるためのお手伝いをすることがミッションです。
これまでは「お客様からご相談を受け、ソリューションを提供する」という案件を多く承っていましたが、特に私の所属する部門では「お悩みをお伺いし、問題を一緒に整理し、方針を決定していただく」というサポートに特化していますので、「相続が起きたらどうなるだろう」「将来が不安」といった“今困っているわけではないお悩みや漠然とした不安”などのご相談に対して、お一人お一人のお客様とじっくりと向き合えるようになりました。
― 「お客様が“自分でも整理できていないお悩み”」をどうやって見つけるのでしょうか。
蛭子 まずは、お客様自身のお話を丁寧にお伺いします。例えば、「仕事が忙しく資産管理を手伝えない会社員の長男」と「近所に住んでいていつも手伝ってくれるが嫁いでいる娘」、のふたりのお子様にどう資産を残すか…など、漠然とした、また個人的なお気持ちが大きくかかわってくるお悩みに対して、私どもは客観的な第三者として問題を見つけ、整理していきます。
お悩みの内容は千差万別ですが、問題点を整理していくと「不動産のお悩み」、「承継のお悩み」、そして「相続税のお悩み」の3つに分けられることが多いですね。不動産自体に問題がある場合や相続税の心配がある場合は「モノ」の問題ですので比較的容易に解決に向けてサポートできるのですが、承継や遺産相続についてのお悩みは感情が大きく影響しますから、ご相談を承る私どもも真摯に寄り添ってお伺いするように心がけています。
― ご家族への個人的な感情を他人に話すのは勇気がいることのようにも思いますが…
蛭子 もちろんそうだと思います。でも一方で、「家族でも親戚でもない第三者の不動産会社だからこそ話せる」、「冷静にアドバイスを聞ける」、と言ってくださるお客様も、実は多くいらっしゃいます。
法人様の場合には、社内で意見対立があっても「利益追求」という同じ目的を目指して最終的に擦り合わせることで対立を解消することができます。一方でご家族間の場合は、思い出や思い入れなどの感情が合意形成に大きく影響します。また人の感情や家族関係は変化しますから、昔は仲が良かったのにいつの間にか疎遠になり話し合うきっかけもない…、というお悩みを抱えてしまうこともあります。
そういう時こそ、私ども第三者が、ご家族の皆様の間を取り持つとともに、不動産のプロとして客観的なデータをお示しすることで、皆様が冷静な状態で話し合いをスムーズに進めていただくことができるのではと思っています。
蛭子 実は今までの私の経験ですと、私どもがご提案するより前に「お客様自身が既に“正解”を分かっておいでなのでは…」と思うことも少なくないのです。「本当はこうすれば最善なのだろうな」と分かってはいても、ご自身の感情やご家族との関係性などによって、その“正解”を決断するのが難しい状況になってしまっているのではと考えています。こういう時でもお客様に寄り添い、例えば家族会議の際、客観的に話し合えるように資料を作成したり、いくつかの方策を比較できるようにご提案したり、お話し合いの進め方などについてアドバイスを差し上げたりといった様々なサポートを行い、お客様の意思決定までの“伴走”をさせていただいています。
私自身も結婚し子供を育てていますが、改めてお客様の気持ちに強く共感しサポートできるようになったと思っています。結婚することで増える「親族との交流による喜びや大変さ」も感じますし、また子供を育てて初めて、お客様から伺ってきた「お子様への強い思い」を再確認できました。更には私の親や夫の親にいつか起こる相続について我が事として考えるようになりました。私自身の実体験で今以上に人間力を磨いて、お客様からのご相談にお応えできる幅を更に広げていきたいですね。
蛭子 奈津子(えびす なつこ)
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部 統括営業部
ウェルスサービスグループ グループ長
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担当部署:ソリューション事業本部
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