2020/7/31

不透明な状況下でも、密なコミュニケーションとスケジュール管理により、“理想のオフィス”への移転が成就

躍進企業のオフィス拡大のご相談、そのこだわりは

- 成長企業のオフィス移転のお手伝いをされたということですが。

馬塲 私が今回、事業所の移転をお手伝いさせていただいたB社様はコンサルティングをされている企業で、創業より20年を迎えて成長を続け、今では全国の主要都市やアジアの都市にも事業を拡げておられます。実は三井不動産グループもビジネスの局面での様々な協業を通じて良い関係を築かせていただいており、私ども三井不動産リアルティでは、B社様の業容の拡大に合わせてオフィス拡大のお手伝いや、地方への進出・拡大にあたっての事業所探しのお手伝いなどを長く承っています。
今回お声がけをいただいたのは、仙台にある主要な事業所について拡大・移転をしたいというご相談でした。

- 物件探しにあたって、B社様のご要望はどのようなものだったのでしょうか。

馬塲 今よりもグレードの高いビルに移転したい、というご要望でした。立地やグレード、必要面積などの基本的な条件に加えて、更にB社様は窓や執務室の方位を重視すると前任担当者から引継ぎを受けていたので、まず、具体的な条件をB社様から詳しくヒアリングさせていただき、その条件に合ったオフィスビルをしらみつぶしにあたる、という方法で移転先探しをすることになりました。
B社様の移転前のオフィスは、仙台市中心部の旧市街地エリアにありました。仙台市中心部の業務機能は一番町界隈に集中しています。中でも青葉通から広瀬通にかけた界隈は行政庁舎や主要企業の拠点も立ち並ぶ旧市街地で、仙台市でも一二を争う一等地です。ここからB社様からご提示いただいた様々な条件を満たし、かつ利便性が高くグレードが高いオフィスビルの空室を探す必要がありました。
仙台市は業務集積エリアがそれほど広いわけではなく、物件探しは難航するのではと思っていたのですが、近年の再開発などによるハイグレードオフィスビルの増加やJR駅利用による広域の移動利便性の高さなどから立地のプレゼンスも高まっている仙台駅前の周辺エリアに複数の物件が見つかりました。そのうちの一つは仙台市内でも有数のハイグレードビルで、B社様も内覧して気に入っていただきました。

新型コロナウイルスの流行でスケジュールが不透明に。
粘り強い交渉を繰り返す日々。

- 難航するかと思いきや、ここまでは順調ですね。

馬塲 B社様のご希望の移転スケジュールに合わせて急ピッチで交渉を詰めていたのですが、2020年の初頭から巻き起こった新型コロナウイルスの流行で契約のスケジュールがいったん白紙になってしまいました。オーナー企業が政府の自粛要請を受けて在宅勤務になり社内決裁などの意思決定スピードが鈍化してしまったためです。当社も在宅勤務になっていたこともあり、契約の詰めを行う作業も思うようにいかなくなってしまいました。
B社様はスケジュールにも強いご要望があったのですが、このオフィスビルを気に入っていただいたこともあり一度は移転時期をずらしていただくことをご了承いただくことができました。ただし、再度スケジュールが延期になるようであれば別のビルも検討するということでしたので、オーナー企業に社内手続きをスピードアップしていただくために、スケジュール管理やより細やかなコミュニケーションを図ることに全力を尽くしました。

- 仲介の業務の要諦でもありますね。

馬塲 ただB社様の要望をそのまま伝えるだけでは「伝書バト」でしかありません。この難しい状況で仲介を成立させるためには、オーナー側の状況をよく理解し、的確なタイミングで適切な情報提供を行う必要がありました。それと同時にB社様に対しても心配を軽減し先の準備をしていただけるように、オーナー側の状況報告などのコミュニケーションには心を砕きました。おかげで、ギリギリにはなりましたが無事に契約締結までこぎつけることができたと思います。

魅力的な経営者様とのご縁、難しい状況を柔軟に乗り越えた経験が自身の成長に

- 新型コロナウイルス流行の影響で、県外への移動自粛という状況下だったそうですが、実際の契約実務はどのように遂行されたのでしょうか。

馬塲 実は契約直前まで、B社様のご担当者様とオーナー企業の担当者に直接会うことができませんでした。普段からレスポンスのスピードはなるべく早くと心がけておりますが、新型コロナの影響で実際にお会いすることができなくなって、改めてコミュニケーションの質を高めることの大切さに気づかされました。
また、今回、最終的には使用しなかったのですが、ITを活用した重要事項説明(IT重説)の準備も進めていました。新型コロナの影響による不確定要素が増えたことで、色々な局面において柔軟な対応が求められました。
B社の経営者様は大変精力的な方で、今回の移転プロジェクトについても思い入れが大きく、私自身も勉強になることばかりでとても良い経験になりました。
B社様が移転されたオフィスビルは10数年前に再開発によって建てられたのですが、規模も大きく設備も充実したハイグレードなオフィスビルです。2011年3月の東日本大震災で、仙台市内も大きな被害を受けましたが、こちらのビルは非常用発電設備が整備されており街のあちこちでライフラインが途絶した状態でも帰宅困難者の受け入れなど地域の方々のサポートをされたそうで、地元の方にとっても思い入れの大きい場所なのだそうです。紆余曲折があったプロジェクトですが、B社様にご満足いただき仲介したオフィスビルがそのような建物だったというのも素晴らしい縁だなぁと思っています。


馬塲隆太郎

馬塲 隆太郎(ばば りゅうたろう)
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部 統括営業部
コーポレートサービスグループ
※取材当時はリーシング営業部所属

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