2020/7/23

日本での躍進を目指す外資系企業の拠点探し。ネットワークとグループ力で本社移転を実現

きっかけは、「三井のリハウス」のお客様からのご紹介

- 今回、お話を伺うケースは、お客様が外資系企業の日本法人とのことですが。

鈴木 A社はアジアの新興国で近年飛躍的に成長を遂げた大企業グループに属する物流サービス会社です。日本でも市場を拡大することになり、約1年前に小さなオフィスで日本法人を開設しておられましたが、このたび本格的な事業拡大にあたり日本法人の本社として相応しいオフィスに移転したいというご相談でした。
A社様は、弊社のお客様からご紹介いただいたお客様です。弊社には「三井のリハウス」がありますが、都内のリハウスセンターのお客様から、良い物件が見つからず困っている友人がいる、というお話をいただき、私どもリーシング営業部に紹介してもらうことになりました。
実は、最初にA社様からのご要望をお伺いした時には、内心、これは難しいご相談だなと感じたのです。

― それは何故なのでしょうか?

鈴木 A社様のご要望は、必要なオフィス面積は150坪程度、会社の顔としてシンボリックなハイグレードビルを、さらに都心と羽田空港へ双方向へのアクセスが良い場所に、という内容でした。
オフィスビルの賃貸仲介の現場において一般的には、ハイグレードな大規模ビルほど入居審査が厳しいという傾向があります。入居審査では過去の業績や決算報告書などをビルのオーナーに提出し、オーナー側も独自の信用調査を行いますが、スタートアップ企業や日本での実績が少ない外資系企業などは、これらの調査において不利に働いてしまいがちなのです。
更に、A社様にお引き合わせいただいた時期は、オフィスビルマーケットが活況で空室率も近年にないほど低水準な時期でしたから、そもそもご要望を満たせるグレードのビルに空室があるか・・・、という懸念もありました。

- ハイグレードビルだと、1フロアの面積が数百坪というものも珍しくないかと思いますが、その中から100~200坪だけ借りるのは簡単ではないように思います。

鈴木 そうですね・・・、一般論ですがオーナーにとっては、信用が確かなテナントにまとめて借りていただける方が安心です。しかし一方で小さい区画が皆無なわけではなく、ハイグレードビルでも小区画もあるわけです。まずは、A社様には具体的な物件のご紹介と並行して、こういった東京のオフィスビルのマーケットレポートを作成しご説明しました。本国の本社に最終的な判断決定をしてもらう時などにもご利用いただけたようです。

難易度の高い物件探し・・・日頃構築してきたネットワークがモノを言う

- なるほど。企業の社内の決定プロセスをサポートするために有益なレポートですね。
実際にA社様の本社移転プロジェクトはどのようなプロセスで進めていかれたのでしょうか。

鈴木 まずはA社様のニーズを確実に把握し、それに合う物件を探すのがスタートです。我々リーシング営業部では、主要なビルオーナーや管理会社と日常的に情報の共有や定例会議を行うネットワークを構築しています。今回のプロジェクトについては、ちょうど我々のネットワークの中でご要望に適う物件の情報をキャッチできたため、いち早く移転候補として検討していただくことができました。場所は都心湾岸寄り、駅に隣接する大規模ハイグレードビルで、ご案内した担当者様にも、本国から来日された本社スタッフにもご満足いただけたのでホッとしました。
実は、この物件の運営管理を担っているのが三井不動産グループの三井不動産ビルマネジメントでした。オーナー様の管理方針などの情報をA社様にお伝えし、また早い段階から三井不動産ビルマネジメントの担当者からオーナー様の感触をフィードバックしてもらうなど、当社グループの協力体制の下で交渉を良い方向に運ぶことができました。

- 冒頭で、スタートアップ企業や外資系は与信を厳しく見られることがある、というお話も伺いましたが・・・。

鈴木 外資系企業の場合、信用のある世界企業であっても、海外拠点の撤退リスクがあるのでオーナーが慎重になる傾向があります。時期や状況によっては、外資系企業のスタートアップというだけでお断りされる場合もあります。幸いなことにA社様のケースについては異なりましたが、条件交渉の中で、オーナー様の管理会社が同じ三井不動産グループだったのは、A社様にとっても安心材料として受け止めていただきました。

フロー図

リピーターは、我々のノウハウを最大限にご活用いただけた証

- マーケットレポートから、物件探し、交渉、契約、と専門的な業務が続きます。他にも様々なサポートをされたようですが。

鈴木 移転先候補のご案内はもちろん、会議室やリフレッシュスペースなどのご要望もお伺いしオフィスレイアウトも提案します。また契約後の移転についても入居工事やレイアウト工事などについて、当社のネットワークから信頼できる会社をご紹介させていただきました。A社様にはより多くのノウハウをご活用いただけたのでは、と思っています。

- 鈴木さんはオフィスリーシングのセクションに配属されて十数年従事されているベテランとお伺いしましたが、このお仕事を続けていて充実を感じるのはどのような時でしょうか。

鈴木 お客様と物件の良い出会いを結びつける業務の中で、お客様と我々三井不動産リアルティとも良い関係を結ぶことができます。かつてオフィス開設をお手伝いした企業様から支店を出したいというお話をいただく時は、当社を信用いただけたのだなと感じてありがたく思います。今回の件は直接のリピーターではなく、当社のお客様からのご紹介でしたが、このような縁は信頼の証でもありますから、更に信頼を勝ち得るように頑張ろうと思います。

- 信頼の積み重ねが良い仕事の源泉になるのですね。ありがとうございました。


鈴木清孝

鈴木 清孝(すずき きよたか)
三井不動産リアルティ株式会社
ソリューション事業本部 リーシング営業部

賃貸オフィスをお探しの方はこちら

 

お問い合わせ

不動産に関するご相談は以下までお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

0120-921-582 TEL:0120-921-582

受付時間:9:30~18:00(定休日/水曜・日曜)

担当部署:ソリューション事業本部
FAX:03-5510-4984
住所:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング