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今回は「都市型コンパクトシティ」をテーマにした新着記事をご紹介いたします。

TOPICS オフィスビル開発が主導する都市型コンパクトシティ
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オフィスビル開発が主導する都市型コンパクトシティ

 2025年3月27日、JR東日本が総事業費約6000億円を投じたビッグプロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」が開業しました。シティは5つの棟で構成され、全体の敷地面積は約7.4万平方メートル、延べ面積約84.5万平方メートル、2025年3月時点ではコンベンションホールや商業施設の一部と高輪ゲートウェイ駅前広場等の開業となります。※1

 将来的にはオフィスの他に、ホテル、商業施設、住宅、行政施設、ミュージアム、医療機関等が揃う予定で、駅近立地ながら、「TAKANAWA GATEWAY CITY」内で衣食住+アミューズメント+勤が完結する“街”になります。

 このタイプの“街”は、都市機能の集約、公共交通の充実、環境負荷の低減、コミュニティの再生を要件とするコンパクトシティの定義に当てはまるため、“都市型コンパクトシティ”と考えることができます。

 今回の「TAKANAWA GATEWAY CITY」の他にも、都市型コンパクトシティには森ビルの虎ノ門、麻布台、六本木や三井不動産の東京ミッドタウン(赤坂)等があり、オフィスを起点とした住民も存在する街づくりが行われてきました。勤住近接の利便性の高い“住みやすく働きやすい場所”であり、オフィス、住宅、サービス施設全ての面から高い評価を得ています。

 一方、東京駅周辺の八重洲、丸の内、日本橋等で進行している再開発の多くは、オフィスビルのリニューアルが中心であり、開発面積や周辺の夜間人口などから勘案すると、住宅や生活を支える施設を含めて開発される都市型コンパクトシティの定義とは異なったタイプとなっています。

 新築ビルの供給面積推移を見ると、2019年以降新築オフィス供給量は、少ない年で約8万坪、多い年は約27.5万坪の供給が続いており、2019年~2026年の8年間累計で約133万坪の新築ビルが供給される見込み※2です。必然的に都心部のオフィスマーケットは、供給過多による空室率の上昇が懸念される状況でもあり、これからはオフィスにおいても商品的な差異化を示さなければならなくなっています。

 街の機能を高め、魅力度を引き上げやすい代わりに大きな面積を必要とする都市型コンパクトシティは、都心オフィス街(東京駅周辺など)では土地の獲得が難しくなっていますが、都心から少し離れたオフィスエリアを対象とすると、競争力アップに寄与しやすいことから、今後の開発は増えていくと予想できます。


※1:2025年3月27日は一部先行開業、2026年春に「THE LINKPILLAR 2」等がグランドオープン予定。

※2:ザイマックス総研 研究調査参照

東京23区の新築ビル供給面積の推移


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