三井不動産リアルティ

Vol.77 2021 9月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
残暑の合間にも秋の訪れを感じるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
今年の中秋の名月は9月21日。この風習は古く平安時代に中国から伝わったとされています。
おうち時間は夜空を眺めて過ごすのも楽しいかもしれません。南東の空には土星と木星も見えますよ。
それでは9月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

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今月のトピックス

Topics 1 アメリカ人も発見しつつある「ハワイ」の不動産の魅力
Topics 2 テレワークの今後と新しい働き方について
Topics 3 100年に一度の整備計画で、さらなるパワーアップをする街「渋谷」

Topics 1

アメリカ人も発見しつつある「ハワイ」の不動産の魅力

 日本人にとってハワイは「最も身近なアメリカ」ですが、大部分のアメリカ人にとってのハワイは「ポリネシアへのエキゾチックな入り口」です。しかしアメリカ人が持つそのようなイメージが近年変わり始めています。動きは西海岸から始まっていました。

 その前に「ハワイと不動産」の話をまとめます。それぞれ慣習が異なる1,000を超す小さな部族があり、その上にカメハメハ王朝が成立、その後アメリカが支配、サトウキビのプランテーションが大きく発達しました。ハワイの不動産の諸制度には各時代の名残が今も重層的に色濃く残っていて、アメリカ本土とは異質な部分があります。

 日本の会社もリゾートホテル開発の際に地元の部族から思わぬ主張をされたり、ある邦銀が抵当権をつけたつもりの土地が、登記的には存在するが物理的には存在しなかった等、ワイルドな話があります。ハワイでの不動産投資の際にこの手のリスクを避ける最善の方法は、「信用できる会社から各種法令に適合した建物を土地付きで買う」ことでしょう。

 本土のアメリカ人のハワイに対する見方が変わったと私が気付いたのは、2014年です。フェイスブックの若き大富豪・ザッカーバーグ氏がカウアイ島で700エーカー(86万坪)を推定1億$(110億円)で買いました。しかしその後、この土地はトラブルに見舞われます。彼の弁護士がハワイ州の不動産の特殊性を十分に認識していなかったため、「小道の通行権」の問題で数百人の地元民を当事者とする8件の訴訟を起こすはめになっています。 

 マイクロソフトの故ポール・アレン氏やセールスフォースのベニオフ氏がハワイ島で不動産を購入、デルのデル氏やペイパルの創業者などを始めとするカリフォルニアの大小のIT長者も次々に購入していきました。ハワイはカリフォルニアからそう遠くはないのです。別荘やセカンドホームの購入層が以前の俳優やミュージシャンから、IT長者に変わりました。

 数億円、数十億円といった超高額物件を買う層に人気の島は、カウアイ島です。ホテルはマリオットの最高級ブランドであるセントレジスもあることにはありますが、基本的には何もない島です。カウアイ島での別荘暮らしとなると、シェフやメイドを雇い、ヨットは丸ごとで借りて…というような話になるはずです。

 ハワイ州での新型コロナの影響を見てみたいと思います。全米で最も厳しいとされる規制を敷いて抑え込みを図り、国外やアメリカからは勿論、ハワイの島と島の往来についても検疫を強制、ある時期は旅行客が100%いなくなるという徹底ぶりでした。 

 その後、規制を緩和した時期と、「アメリカでの不動産ブーム+ハワイでのリモートワークへの憧れ」という動きで、2021年の春から夏にかけて別荘需要が大変な賑わいとなりました。

 デルタ株の脅威はまだ深刻化していませんが、拡大への警戒感は出ています。しかしアメリカ人の間で高まったハワイ人気は、今後も長続きするのではないでしょうか。

(ドル=110円 2021年9月1日近辺のレート)

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

テレワークの今後と新しい働き方について

 厚生労働省が2020年11月に公表した「テレワークの労務管理等に関する実態調査(速報版:農林水産業、公務を除く全業種・従業員10人以上の企業が対象。2020年8~10月実施、有効回答数3,788)」によれば、在宅勤務(労働者の自宅で業務を行う形態)、サテライトオフィス勤務(外部契約オフィス含)、モバイル勤務(臨機応変に選択した場所で業務を行う形態)の導入割合は、最も一般的な在宅勤務で従業員300人未満の企業(2,590社、以下中小企業)で26%、従業員300人以上の企業(1,173社、以下大企業)で52%。業種や業態によりテレワークしにくい企業はあるものの、大企業ほどテレワークを導入しやすい環境が整っており、コロナ禍におけるオフィス街の人流削減には大企業のテレワーク推進が欠かせないといえます。

 しかしながら、2021年8月、読売新聞が国内の主要121社を対象に調査した結果、出社削減率50%未満の企業は、2020年の4~5月時点では121社中33社でしたが、2021年の6月時点では46社に増加しています。多くの主要企業においては、「感染拡大防止策の拡充がされた」「社内コミュニケーションの低下といった弊害があった」などの理由から今後はテレワークの実施は縮小するとの判断が約4割を占めました。

 大企業もコロナ後はテレワークから、コロナ前の対面重視・出社重視の勤務形態に戻す方針にあるということであり、コロナ禍の影響で出社調整が進んだ都心のオフィスワーカー数が元に戻るということが予想できます。このことは、現在非常にシビアな状況にある都心のオフィスマーケットにとっては回復の兆候ともいえます。

 一方で、政府が推進している「新しい働き方」の一つに「ワーケーション」というものがあります。「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語で、欧米でも使用されている言葉らしいですが、日本では導入主体は実質「リモート勤務可能な社員」に限定されることに加え、バケーションに比重があると捉えられ易く、生産性やコミュニケーションの低下を懸念する経営側の理解が進みにくいことから、製造インフラを持つ大企業等で一般化するのは簡単ではなさそうです。

 個人的には、地方移住とサテライト勤務を組み合わせたパターン=企業が地方の空き家を借り上げ、サテライトオフィス化するという施策は暮らし方の提案として、また諸方面の活性化という側面からも優れていると考えます。最近は期間限定で、このようなサービスを行う企業も増えてきており、今後も一過性の「バケーション」ではなく、「プチ移住」型の“新しい働き方”の定着動向には注目していきたいと思います。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

テレワークの労務管理等に関する実態調査

三井不動産が提案する新しい働き方
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お問い合わせ先:0120-983-031

Topics 3

100年に一度の整備計画で、
さらなるパワーアップをする街「渋谷」

若者の街、交通機関の主要ターミナル、ショッピングゾーン、大規模再開発を経て、「渋谷」はさらに高いグレードを見据えてのレボリューション途上。その躍動する現状をレポートします。

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